医者はどこだ!感想

第1巻第1話「医者はどこだ!」(秋田文庫)

 

アニメの第1話にもなっているので有名な話でしょうか。アニメではピノコが出てきますが原作では全く登場しません。

 

【あらすじ】

世界一の実業家であるニクラ氏の息子・アクドが派手に自動車事故を起こすシーンから始まる。ニクラは息子を助けようと腕のいい医者を探し回るも、どんな名医も匙を投げる始末。

 

なんせ「頭の骨が折れて 首が折れて 肺がつぶれて 胃がひしゃげて 腸がねじれて うんちがはみ出して」いるのだから。ほぼ死んでますね。

 

そこに現れたのがブラックジャック

ブラックジャックがいうにはアクドを助けるためには別の肉体が要る、と。そこでなんの罪もない一般市民のデビイに白羽の矢が立つ。事故のとき側にいたというだけで。裁判もむなしくデビイはアクドのために手術室へ連れて行かれてしまう。


ブラックジャックはニクラに言う。

「ひとつ いっとくが ニクラさん おれは そいつを助けるが 助けたあとは 責任はおわないぜ」

ブラックジャックはこういうのよく言ってる気がする。

こういう、治すは治すけどあとはどうなっても知らんよ的なこと。


手術は成功。デビイはアクドのためにほとんどの肉体を提供して死亡。

しかしその後すぐにアクドは行方不明になってしまう。



手術後のアクドは、アクドの顔そっくりに整形されたデビイだったのだ。つまりブラックジャックが行った手術はアクドの蘇生ではなくデビイの整形手術。当然、本物のドラ息子アクドは死んでいる。

ブラックジャックはデビイに大金を渡し外国へ逃げるように言う。(アクドの顔で街をうろつくとニクラパパにばれるから)

 

 

 

 【感想】

まず初めの感想、この回の先生なんだか若い。

診察中のコマもなんだか顔がスレてる。気がした。


それはさておき

いやかっこいい。

これぞブラックジャック、というストーリー。


文庫版の収録の順番はどう決めたのか知らないけれど、ブラックジャックという男が分かる、1話にふさわしいお話だったと思う。


冷酷なように見えて、弱者や良識者にとことん優しい。そして金は取るところから取る。

(今回の手術費用は明かされなかったけど、ブラックジャック先生に依頼する前の有象無象の医者は10億円でどうかと聞いているからそれよりはたくさん取ってそう。)

アクドから受け取った報酬を、そのまんまデビイに渡したんだろうなあと勝手に想像。



手術が成功して、大感謝するニクラパパに対し

「じゃ おれの 仕事はこれですんんだな あばよ」

と言って立ち去るブラックジャック先生。

大仕事をしたのに淡々と帰っていく感じがとても先生だ。あばよって、、、かっこいい。




手術時間は約5時間、早い。